新聞やテレビのニュースで、「有効求人倍率」という文字を目にすることがあると思います。就職や転職に関係する言葉だと分かってはいても、具体的にどのような内容なのかまでは説明できない人も多いと思います。そこで、有効求人倍率とは何かを具体的にみていきましょう。
有効求人倍率のデータの元になる舞台は、「ハローワーク」です。ハローワークに登録されている求人数、そして応募者の数から有効求人倍率が導かれます。有効求人倍率を式にすると『求人数÷応募者数=有効求人倍率』になります。例えばハローワークに1000件の求人案件があり、応募者数が2000人だとしたら『1000÷2000=0.5』となり、有効求人倍率は『0.5倍』となります。またハローワークに1000件の求人案件があり、応募者が1000人いたとしたら、有効求人倍率は『1倍』となります。さらに1000件の求人案件に対して、500人の応募があった場合は、『1000÷500=2』となり、有効求人倍率は『2倍』となります。
有効求人倍率が1倍の時、求人を出した企業も応募者も理論的にはしあわせな状態になります。すべての求人に人が集まり、すべての応募者が仕事を手にすることができる可能性があるからです。しかし1倍を割ってしまうと求人に対して応募者が多いので、企業としては買い手市場になり、応募者にとっては就職が狭き門になります。逆に1倍以上になると、求人に対して応募者が少なくなるため売り手市場になり応募者が就職しやすい状況になります。就活を行う人や転職活動を始めようと思っている人はまず、有効求人倍率が1倍以上かどうかをチェックするようにしましょう。
就活を始める前に有効求人倍率をチェックしてみましょう。もし有効求人倍率が1倍以上なら就活をした時に希望の企業や業界、職種に就きやすくなります。逆に1倍を割っている場合は、就職が難しい可能性があり、転職活動を考えている人は時期を待つという選択肢もみえてきます。
ちなみに有効求人倍率の「有効求人」とはどのような意味でしょうか。実はハローワークの求人は、募集して2カ月経過すると消えてしまいます。この2か月間の、「募集中の求人」にあたるのが「有効求人」です。有効求人倍率は、ハローワークで募集中の求人に対する、応募者の数で決まると覚えておいてください。現在の会社が嫌になった、あるいはキャリアアップのための転職をしたいと思った時、有効求人倍率をチェックすると就職市場が自分にとって有利な状態か、そうでないかが一目瞭然です。便利な指数なので利用するようにしましょう。
職場に不満がある人は、職場環境を変えるために努力をするか、転職するかの2択で悩んでいるかもしれません。遠回りなようでも、転職をして新しい職場に移った方が理想的な環境を手に入れやすいでしょう。介護職員が転職をする時は、「介護職専門の転職サイト」を利用することをおすすめします。介護業界の内部情報に精通した専任のコンサルタントが、職場の人間関係が良く、希望の条件を満たした理想的な転職先を紹介してくれるかもしれません。
つづきへ介護職の人材不足を解消するために政府を中心に様々な取り組みをしています。まず、一度離職してしまった人材を呼び戻すための取り組みとして、再就職に必要な費用を貸し付けて再就職後に2年以上働いた場合は返済の義務がなくなる「再就職準備金貸付こと業」という制度があります。また、新しい人材を呼び込むための取り組みには、介護福祉士を取得するための学校の学費を貸出し、就職して5年以上勤務した場合は返済を免除する制度などもあります。
つづきへ介護業界の「職種別」の有効求人倍率をチェックしてみましょう。「介護職(ヘルパー以外)」の求人数が33,103件、応募者が7,029人、有効求人倍率が4.71倍です。また「ホームヘルパー」の求人数が6,500件、応募者が1,574人、有効求人倍率が4.13倍となっています。さらに「セラピスト」の有効求人倍率は6.86倍と、とても高い水準です。介護業界で就職を希望する人はほとんどの職種が「超」売り手市場ですので、就職しやすい状況にあるといえるでしょう。
つづきへ有効求人倍率が1倍以上は売り手市場といわれますが、その中でも介護職の有効求人倍率は2倍近い高水準です。今後も有効求人倍率が右肩上がりになることが予想されているため、介護職を目指す人にとって有利な状況が続きそうです。介護職の有効求人倍率を都道府県別にみると、平成27年の1位が栃木県の13.82倍、2位が愛知県の13.52倍と、とんでもない高水準になっています。このエリアの介護職希望者は、引く手あまたな状況で就活をすることができるでしょう。
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